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最終更新日:2024.11.27

公開日:2024.11.27

  • #基礎知識

物流視点から考えるアパレルECの課題とは?仕分けロボットで解決する未来

1. はじめに

はじめに

全世界的にアパレル業界ではECの急成長が続いています。消費者の購買行動がオンラインに移行する中、アパレルブランドや小売業者は、ECを通じて効率的かつ迅速な商品提供を求められるようになりました。しかし、その一方で物流面での課題が顕在化しています。本記事では、「物流視点から考えるアパレルECの課題」を深掘りし、仕分けロボットを活用した課題解決について詳しく解説します。

アパレル業界の課題

コロナ禍の中、アパレル業界が直面した課題としてはリアル店舗での販売が難しくなり急激にEC販売へのシフトが必要になりました。従来、アパレル業界ではリアル店舗を第一にECが補完的な立場であったのでECの強化が追いついていない企業も多くあったと思います。各企業でリアル店舗のあり方やデジタルを活用した販売方法の強化、在庫管理、小口配送の増加で物流網の再構築など様々な方面で課題が山積みになっています。

アパレルECにおける物流の重要性

アパレルECでは、顧客体験を向上させるために迅速な配送が不可欠です。しかし、商品の多様性、サイズや色のバリエーション、返品率の高さといった業界特有の特徴が物流の複雑さを増大させています。様々な業務をデジタル化し、活用していくことが求められています。

たとえば、次のようなポイントが物流の課題として挙げられます。

1、在庫管理の複雑化
アパレル商品は、1つの商品に対して複数のサイズやカラーが存在します。これにより、在庫管理が複雑化します。また近年はリアル店舗とECで在庫をリアルタイムに連携し、顧客が欲しいタイミングで商品を受け取れる環境を作るにはデジタル技術を使ったシステム化が必須です。

2、ピークシーズンの対応
セールや新作発売時には注文数が急増し、物流センターの負荷が一時的に高まります。これに対応できないと配送遅延や在庫不足が発生します。またSNSの影響力が高くSNSを通して情報発信が増えてきた現代では、突発的な需要の急増も発生します。物流センター内では配送するまでの作業効率化だけではなく、このような需要と供給のバランス、販売計画や予測の見直しが重要です。

3、返品処理の負担
アパレルECでは返品率が高いことが一般的です。返品処理が滞ると、商品の再販可能性が下がり、収益に悪影響を及ぼします。返品処理の対応も物流センターの負荷が大きく、売り逃しのないように検品しはやく在庫に戻すことも求められています。

これらの課題を更に掘り下げていくと企画や生産部門のDX化と物流部門のDX化がこれからのアパレルECに必要となってきています。この記事では後述で、物流部門の仕分け工程のDX化について解説していきます。

仕分けロボットを活用した課題解決

在庫管理システムやオムニチャネル化のためのDXも重要ですが、人手の作業に頼ることが多い物流について「仕分け工程」の自動化から始めることをおすすめします。
物流業務を委託している企業も、委託先がどのような物流を構築しているかご存知ですか?人手不足をはじめとした課題で、商品を「運べなくなる」かもしれません。持続可能な物流網であるかを一緒に考えていきましょう。

■なぜ仕分け工程の自動化が必要なのか?
生活様式の変化によって、個配が増え更にはアパレル物流の特徴として挙げられる返品対応にも多くの時間を要しています。
仕分けは、物流工程の中でも下流工程の方に位置していますが、立ち仕事であったり時には力仕事で作業者への負担が大きい工程でもあります。アパレル物流だけではなく、物流業界全体で労働力不足が深刻化しており労働力の確保が容易ではありません。一日に何時間も仕分け作業をしているとヒューマンエラーの発生が高く物流品質の低下、ブランド毀損にも繋がります。こういった作業者へのケアを含め仕分け工程の自動化から始めることを推奨します。

仕分けの自動化(仕分けロボット)の導入でどのようなメリットを得られるか?今、多くの物流企業が注目するポイントをここで紹介いたします。

1、労働環境の改善
まずは、労働力不足が深刻化している物流業界で作業負担が軽減されるロボットは労働環境の改善に役立ちます。
具体的には、仕分けロボットを導入すると仕分け作業を行うのはロボットなので人が指定の間口に移動したりする必要がなくなります。商品をロボットに置くだけで仕分けが可能になります。また人手による仕分けはどうしてもミスが発生してしまいますが、ロボットに任せられるので、仕分けミスが起こることがなくなり心理的な負担も軽減されます。

2、中長期的なコスト削減と効率アップ
ロボットの導入には、導入コストやメンテナンスコストなど様々なコストがかかってきます。しかし、将来的には2030年問題と言われる人件費の高騰があります。
ロボットは少ない人数で効率的な仕分けを実現できるので、中長期的にみるとコスト削減に繋がります。また人手による作業と比較すると圧倒的なスピードと安定した作業件数を実現できるので効率があがります。今まで仕分けに要していた人員を別の作業に充てることも可能なので庫内全体の効率化にも寄与します。

3、物流品質の向上
自社の商品を顧客が必要なタイミングに正しく配送することがもはや当たり前となっています。アパレル物流は物流部門は専門の外部に委託していることも多いですが、きちんと自社の商品の品質を担保できる環境かをきちんと確認することが重要です。
例えば、仕分けミスから違う商品が届けられてしまったら企業イメージがダウンする可能性も。ロボットであれば正確に早く作業をしてくれるので品質の向上にも役立つことができます。

仕分けロボットを導入した事例

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ファッションECで大きなインパクトのある株式会社ZOZOでは、習志野の自社の物流センターに立体型仕分けロボット「オムニソーター」を導入しました。導入した経緯としては、現状のレイアウトに合った効率化と作業者への負担を軽減することでした。
オムニソーターは、省スペースで間口のカスタマイズが柔軟なロボットだったので導入に至り、仕分け作業も商品を投入口に商品を置くだけなので、作業者からも身体的な負担が軽減されたという声もあがり成功といえました。加えて昨対比で120%以上の生産性向上の確認もとれる結果となりました。また、オムニソーター導入のおかげで、ピッキングバッチが1.2倍になりピッキング効率にも繋がった事例となっています。


今後のアパレル物流について

急成長を遂げているアパレルEC業界ですが、物流視点からの改革も今後重要な論点となりえるでしょう。今回は物流業務の中でも「仕分け」工程という部分的な自動化・機械化にフォーカスしましたが、人手不足や人件費高騰が待ち構える現代では自社または委託している物流部門が持続可能な設備であるかもポイントに確認していくことを推奨します。アパレルECにおける仕分けの自動化は、顧客満足度や競争力向上の一手となりさらなる伸長も期待できるでしょう。

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