最終更新日:2025.04.02
公開日:2025.04.02
- #基礎知識
ピッキング作業の改善方法とは?課題と改善ポイントを解説
はじめに
物流現場における「ピッキング作業」は、商品の出荷に関する重要な工程です。出荷ミスや作業の遅延は顧客満足度の低下やコストの増大に直結するため、ピッキング作業の改善は多くの現場で課題となっています。
この記事では、ピッキング作業の基礎知識から改善方法までをわかりやすく解説し、現場で実践できる効率化のヒントをご紹介します。
ピッキング作業の課題
物流倉庫におけるピッキング作業の課題とは?どのような課題が存在しているかを現状を理解していくことが重要です。以下の5つが代表的な課題として挙げられます。
1、ピッキングミス(人的ミス)
ピッキング作業で発生しやすいのが、ピッキングミスです。商品違い、数量違い、付属品忘れ等です。人手でやっている以上、どうしても人的ミスは発生してしまいます。
単純な間違いなのか、倉庫の問題で間違いやすいのか等原因をしっかり把握することが重要です。
2、動線に無駄が多く移動に時間がかかる
商品配置のレイアウトやロケーションの管理に無駄が多く移動に問題があることです。例えば出荷頻度の高い商品が倉庫の一番遠い場所に配置されていたり、通路が狭くカートが通れない等様々です。また特定のロケーションで、ピッキング作業者が並んでしまい待機時間が伸びて作業できないといったことも問題です。
3、商品を探すのに時間がかかる
ロケーションが管理されていても商品が探しにくい保管配置であったり、ロケーション番号がわかりにくいなどの物理的なことが原因で作業者に負担をかけている場合があります。そもそも、保管場所が誤っているということもあり得るのでしっかり確認が必要です。
4、商品の取り出しに時間がかかる
例えば、ある特定の商品を取り出すにはフォークリフトがなければ取り出すことができない状況です。またボール単位で保管されているのに、ピッキングはピース単位で取ることが多くJANコードの認識がうまくいかない等のオペレーションの問題もあります。
5、作業者によって効率の差が大きい
これは人手による作業の弊害で、慣れている人であればある程度の場所の把握や作業の流れも理解しているので早くできます。しかし、新しく入った方や突発的に作業を任された人であると、商品を探し出す時間、歩く時間、ピックする時間すべてに時間がかかってしまいます。
ピッキング作業を効率化する方法
ここでは、具体的にピッキング作業を効率化する方法の例を紹介していきます。
1、レイアウトの最適化
ピッキング作業の効率は倉庫内のレイアウトに大きく左右されます。ピッキング時の歩行導線を考えた商品配置、よく出る商品は移動の少ない位置に保管する等が挙げられます。また通行の妨げにならないように人が通るスペースも効率的にできるように考えなければなりません。
2、作業マニュアル・ルールの整備
誰が作業をしても大きな差が生まれないように作業マニュアルを整備しましょう。ピッキングする順番や商品の確認方法、梱包仕分けエリアへ持って行くまでの手順等が挙げられます。これらを明文化することによって、新人への指導時間短縮や人的ミスを減らすことが可能です。
3、ピッキングリストを見やすくする
ピッキングリストは、必要な情報だけをわかりやすく表示させることで、人的ミスを減らすことができます。ピッキングリストに不要な情報が書かれていたり、読み辛かったり、文字が小さかったりすると、認知を誤る可能性が高まるので注意しましょう。目に入ってくる情報の並びや整理を整えることで情報の認識率は変わってくるので重要な部分だけを大きくしたりする工夫は効果的です。
4、デジタルツールやロボットを導入する
近年ではデジタルを活用したピッキング効率化の方法が増えています。作業者の歩行負担が改善するだけでなく、ミスの軽減や人件費の削減、作業の標準化にも繋がります。ピッキングを補助するロボットは、AMRといった自律走行型ロボットやAGVと言われる棚搬送型ロボットがあります。
ロボットの導入で改善した成功事例
■カトーレック株式会社
冷蔵倉庫で加工食品等の重量物ピッキング搬送にAMRを活用した事例です。
- 課題:冷蔵倉庫の寒い環境で重量物のピッキングや搬送は作業者の負担が大きく、効率をあげる必要があった。
- 改善策:高重量物を搬送できるAMRを導入
- 解決:作業者が倉庫を歩き回り、重いものを運ぶ必要がなくなったので負担を大きく軽減することができた。作業効率も30%以上の改善が見込めるようになった
■株式会社LIXIL
多品種部材の搬送と効率化にAGV(棚搬送型ロボット)を活用した事例です。
- 課題:作業員が長時間歩き回る高負荷業務とスペース不足の解消が必要だった。
- 改善策:倉庫の天井高を活かした棚搬送型ロボットを導入
- 解決:入出庫の判断をロボットが効率よく指示してくれるので作業効率向上と棚が作業者の手元にくるので歩行の負担が大幅に軽減。スペースも40%削減することができた。
まとめ
ピッキング作業は、物流業務の中でも「ヒトの力」が大きく関与する工程です。その分、改善の余地が大きく、成果も現れやすい分野でもあります。
現場の小さな気付きからでも改善をスタートし、デジタル化や仕組みづくりと組み合わせながら持続的に改善を進めていくことがポイントです。自社の課題を洗い出して、できるところから改善を進めていきましょう。属人的な作業から抜け出したい、自動化で更に効率化をしていく必要がある場合は国内実績多数のRobowareで相談を受け付けています。無料でオンラインでの相談を受け付けていますのでまずは情報収集で活用していきましょう。Robowareは、様々な工程でのロボットをラインナップとして持っています。詳しくはこちらからお問い合わせください。

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