最終更新日:2025.03.10
公開日:2025.03.10
- #基礎知識
棚搬送型ロボットとは
はじめに
近年、物流業界や製造業において、自動化が急速に進んでいます。バラでのピッキングやSKUが多い業態に導入が進んでいるのが、棚搬送型ロボットです。本記事では、棚搬送型ロボットのメリット・デメリットを詳しく解説し、導入を検討している企業に向けた有益な情報を提供します。
棚搬送型ロボットとは?
物流施設の床面を走行するロボットと天井高を有効活用した背の高い専用棚を組み合わせ、棚ごと商品を作業者の手元まで搬送します。商品の格納・保管・ピッキングを自動化し効率化するロボットです。ピッキングや棚入れに伴う作業者の歩行を大幅に削減し、物流センター内の省人化を実現します。
Goods To Person方式、通称GTPと呼ばれることも多いです。
棚搬送型ロボットのメリット
棚搬送型ロボットは、物流施設内における入庫・ピッキング・出庫作業を自動化し、高いスループット、精度、生産性を飛躍的にアップするソリューションになります。棚搬送型ロボットを導入することで得られる代表的なメリットを3つ紹介します。
1、歩行時間の削減
作業者がカートを引き、倉庫中を歩き回る従来のピッキング方式の70%が歩行時間という事実を知っていますか?この無駄となっていた歩行時間を0にすることで、ピッキング効率が劇的にあがります。歩く作業がなくなる=ピッキングに集中して作業ができるようになる。
2、作業負荷の軽減
前述の通り、倉庫中を歩き回ったり、物によっては重いものをピッキングしたり、と作業者に負担が大きくかかっていました。身体的な負担だけではなく、間違えてはいけないという緊張感から精神的な負荷も大きいのが実情です。棚搬送型ロボットを導入すると、歩く作業がなくなる上に必要なものはロボットが指示してくれるので、間違えることもなくなります。
3、ピッキングコストの削減
ピッキングは、人手の作業に頼っていたことが大きく、作業の無駄がたくさんありました。この無駄な作業をロボット導入でなくすことができるので、作業効率があがるだけではなく人件費や運営費などの様々なコスト削減に導くことができます。ピッキング作業が効率化すれば他の作業に時間を充てることもできるので結果として庫内全体の生産性アップ、コストの削減に繋がるのです。
棚搬送型ロボットのデメリット
棚搬送型ロボットを導入するとたくさんのメリットがありますが、いくつかデメリット(注意すべき点)があります。
1、レイアウトの変更が発生する
棚搬送型ロボットを導入する際には、棚搬送型ロボット専用のエリアを設ける必要があるのでレイアウト変更が発生します。安全策を設けて、その柵内にロボットと棚を配置する必要があります。
2、導入コストが発生する
棚搬送型ロボットに限った話ではないのですが、新しいシステムや機械を導入する際には大きな費用がかかります。導入前に、どのくらいの生産性を出すことができるか、ROIは何年か、システム改修は必要か?等、入念に確認しておきましょう。
製品について
棚搬送型ロボットを取り扱うRobowareでは2種類のロボットを取り扱っています。
■Mushiny T6シリーズ
中国のMushiny社が開発する世界有数のAGVメーカーです。500社以上のグローバル企業への導入実績がある企業です。日本国内でも、製造業を中心に導入が拡大しているロボットです。
Mushiny T6シリーズの特徴は、可搬重量が800〜1,500kgまであり高重量な物も搬送できる点です。棚にはカラーバンドが装着されていて、どの棚に、あるものを入庫もしくは出庫しなければならないのかが一目でわかります。またロボット本体の構造もシンプルな設計でメンテナンスが容易にできる点も特徴として挙げられます。
■Ranger GTP
インド発の倉庫ロボットメーカーで、次世代の倉庫オペレーションやECフルフィルメントを実現するグローバル企業です。日本国内では、アパレル倉庫や製造業など様々な業界で導入されているロボットです。
Ranger GTPの特徴は、商品の出荷頻度に応じてRanger GTPのAIがよく出る商品が格納されている棚は手前に移動させたり、入庫時に棚の取り出しやすい位置に商品を格納させたり、入出庫効率をリアルタイムに自動で行います。
まとめ
棚搬送ロボットは、物流業務の効率化や人手不足の解消に大きく貢献する技術です。初期導入コストはかかってしまうものの長期的に見れば多くのメリットを享受できます。
省人化、コスト削減、ピッキング効率の向上などの様々な面でメリットがあります。また保管効率が上がることも棚搬送型ロボット導入のメリットにもなります。
バラピッキング、ケースピッキングをしている企業は一度、棚搬送型ロボットについて詳細を聞いてみるのはいかがでしょうか?
Robowareでは、ロボット・ソフトウェア・カスタマーサポートが三位一体になったサービスを提供しています。まずは、自社の倉庫に合うソリューションか相談してみませんか?

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