最終更新日:2025.06.25
公開日:2025.06.25
- #基礎知識
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)とは?簡単に意味を解説
はじめに
この記事では、物流の基本用語である「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」について意味や普及した背景について解説していきます。
3PLとは
まずは基本的な概念についてです。
3PLとは、Third Party Logistics(サードパーティ・ロジスティクス)の略称です。日本語にすると「第三者物流」となります。スリーピーエル、さんぴーえる、と一般的に呼ばれています。
これは、荷主企業(物流を依頼する会社)が、自社の物流業務の全部または一部を、第三者である専門の物流企業に委託することを指します。
現在、日本国内では1PLや2PLといった形態もあります。簡単に整理すると以下の通りです。
1PL | 主にメーカー(荷主)自身が物流業務を実行する |
2PL | 企業が物流業務の一部を外部に委託しながら物流業務を実行する |
3PL | 物流事業者がメーカー(荷主)に対して包括的に物流業務を受託して実行する |
しかし、3PLはただ単純に物流のアウトソーシングという立ち位置だけではなく、荷主企業の物流に関する様々な課題を深く理解し、その解決に向けて戦略的な視点から最適な物流システムを提案し、構築、そして運用まで行います。つまり、荷主企業にとっての単なる「下請け業者」ではなく、「物流戦略のパートナー」としての役割を果たすのです。
3PL事業では、調達物流、工場内物流・販売物流(在庫管理・輸配送管理)・国際物流といったロジスティクスに関わることを包括的に請け負います。これらの物流業務に加えて、現状分析や課題抽出のコンサルティング、最適な輸送ルート、倉庫設備などのシステム設計など物流に関するエキスパートとして業務範囲は多岐にわたります。
・アセット型3PL事業者
倉庫や運送車両、配送センター、スタッフなどのアセット(資源)を保有し、それらを活用したサービスを展開する事業者のことです。
・ノンアセット型3PL事業者
自社の設備を持たない事業者のことです。それぞれの企業のニーズに合わせて最適な外部企業を提案、連携して物流の設計を専門的に行います。
3PLが注目されている背景
なぜ、3PLのような仕組みが注目されるようになったのでしょうか。その背景には、現代の物流が抱える様々な課題があります。
これまでは自社で物流業務を実行する1PLをする企業も少なくありませんでしたが、倉庫やトラックの管理、人材確保などの膨大なコストがかかるため、物流以外の業務もある中で、物流業務の効率化を図ることに苦戦している企業も多くいました。
物流コストの増加: 燃料費、人件費、保管費など、物流に関わるコストは年々増加傾向にあります。消費者ニーズの多様化と高度化:当日配送、時間指定配送、少量多品種配送など、消費者の求めるサービスレベルは以前より高まっています。
グローバル化の進展: 海外との取引が増えることで、国際物流に関する専門知識やノウハウが不可欠になっています。
環境問題への対応:CO2排出量の削減など、環境負荷の低減も企業に求められるようになりました。
人手不足の深刻化: ドライバーや倉庫作業員の不足は、物流業界全体で深刻な問題となっています。
これらの課題に企業が自社だけで対応しようとすると、多大なコストと専門知識が必要になります。そこで、物流のプロフェッショナルである3PL事業者に依頼することで、効率的かつ高品質な物流を実現しようというニーズが高まったのです。
3PL導入のメリット
3PLを導入することによって、荷主企業(メーカー)にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
1、物流コストの削減を図りやすい
3PL事業者は、長年の経験と実績、そして独自のネットワークやノウハウを持っています。これにより、無駄を省いた効率的な物流が実現し、コスト削減につながります。
2、経営資源の集中と本業への注力ができる
物流業務は、企業にとって不可欠な機能ですが、多くの企業にとって本業ではありません。
物流に関するプロフェッショナルな3PLに委託することで、コアビジネスである本業に経営資源を集中することができます。これにより、企業の競争力強化や成長戦略の実行に注力できるようになります。
これらのメリットは一部ではありますが、3PL事業者は物流のプロフェッショナルとして日々品質の向上や効率化を図っています。近年では、物流事業だけではなくほとんどの事業で人件費の高騰が続いています。当然、物流コストも上がるのですが、そのコストをなるべく上昇させないように物流ロボットの導入で自動化を図りコスト削減をしたりしています。自動化は、コスト削減だけではなく労働環境の改善、品質向上にも働くので委託を考えている場合はどんな設備投資をしているか見ておくのも良いかもしれません。
まとめ
3PL事業者は、物流のプロフェッショナルとして、荷主企業(メーカー)に対して的確な課題抽出や物流提案をします。この物流オペレーション能力・提案能力で戦略的なパートナーとなりうるでしょう。近年、3PL事業者では物流現場の自動化が進んでいます。物流ロボット等を提供しているRobowareは多くの3PL事業者の自動化に成功しています。そういった物流現場の改革を行っている3PL事業者と戦略的に検討することでビジネスの成長を促すかもしれません。
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